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リフォーム・建替え時こそ要注意!地盤リスク診断ガイド

皆さん、こんにちは!
千代田技建株式会社、ブログ更新担当の岡です。

前回は「ICTとAIで変わる地盤モニタリング最前線」をテーマに、最新技術で地盤を“見える化”するメリットをご紹介しました。
今回は 「リフォーム・建替え時こそ要注意!地盤リスク診断ガイド」 と題し、既存住宅を手直ししたり建替えたりする際に見落としがちな地盤のポイントを解説します。 “新築よりリスクが読みにくい”タイミングだからこそ、しっかりチェックして安全・安心な住まいづくりを目指しましょう!


1.リフォーム・建替えで地盤リスクが高まる理由

  1. 建物荷重が変わる

    • 2階を増築、太陽光パネルや蓄電池を追加すると、基礎にかかる荷重が増加。

  2. 古い地盤データしか無い

    • 20〜30年前は十分だった調査精度が、現在の基準では不足しているケースが多い。

  3. 地盤が経年変化している

    • 地下水位の変動や周辺開発の影響で、当時より支持力が下がっている可能性も。


2.計画前に押さえたい“3ステップ診断”

ステップ① 書類チェック

  • 竣工図・地盤調査報告書・確認申請図面を収集

  • 対象は 建築時期/基礎種類/地盤改良履歴 の3点

ステップ② 現地目視

  • 外壁・基礎に大きなクラックはないか

  • 室内ドアやサッシの建て付け不良、床なりの有無

  • 雨どい・排水枡の詰まりや敷地の水溜まり

ステップ③ 追加の地盤調査

目的 推奨調査方法 費用目安
軟弱層の有無を再確認 スウェーデン式サウンディング 5〜15万円
地下水位・土質を詳細把握 ボーリング調査+簡易土試験 30万円〜
広範囲を短期で確認 表面波探査 10〜20万円

3.リフォーム内容別 地盤・基礎対策のポイント

① 2階増築・屋根上設備の追加

  • 荷重増分を構造計算し、布基礎ならベタ基礎への打ち換えや鋼製束補強を検討

  • 必要に応じ 柱状改良 等で基礎下の支持力を底上げ

② 耐震改修・間取り大変更

  • 間仕切り撤去で 上下荷重バランス が変わる→不同沈下リスクに注意

  • 筋交いや耐力壁を追加する場合、基礎梁への アンカー打設 が必須

③ 建替え(既存基礎の撤去)

  • 旧家屋の解体で 地盤が再攪拌 される → 表層改良や再転圧で再締固め

  • 擁壁・土留めを残す場合は 劣化診断背面排水 の再整備を忘れずに


4.補助制度・減税を活用しよう

  • 長期優良住宅リフォーム補助金
    地盤調査費や基礎補強費が対象になるケースあり。

  • 自治体の液状化対策助成
    ハザード指定区域では改良費の1/3〜1/2補助例も。

  • 住宅ローン金利優遇
    耐震+地盤対策で適合証明を得ると、フラット35S 等が利用可能。


5.チェックリスト:工事前に確認すべき10項目

  1. □ 既存地盤調査データの有無と内容

  2. □ 追加調査の範囲・方法・費用

  3. □ 基礎種類(布・ベタ・独立・杭)の再評価

  4. □ 荷重増加分の構造計算書

  5. □ 改良工法の選定理由と保証内容

  6. □ 工事中の第三者検査体制

  7. □ 工事後の保証期間と補償限度額

  8. □ 補助金・減税制度の申請スケジュール

  9. □ 近隣への説明と振動・騒音対策
    10.□ 完了後の定期点検計画(1年・5年・10年)


まとめ

リフォームや建替えは「完成後の快適さ」だけでなく、見えない地盤の安全性を再確認する絶好の機会です。

  • 古いデータを鵜呑みにせず、追加調査で現在の地盤状態を把握

  • 計画段階から荷重増分と基礎補強をセットで検討

  • 補助制度を活用して費用を抑えつつ、保証と点検体制を確保

千代田技建では、診断→調査→設計→補強→保証までワンストップでサポートしています。リフォーム・建替えをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください!


次回予告

次回は 「徹底比較!主要地盤改良工法のコストと環境性能」 をテーマに、セメント系・脱セメント系・深層混合・柱状改良など、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。お楽しみに!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
地盤・基礎のことなら千代田技建までどうぞ!