
皆さん、こんにちは!
千代田技建株式会社、ブログ更新担当の岡です。
前回は「地盤と基礎にまつわるQ&A」で、これまでお寄せいただいた疑問にお答えしました。
今回は 「地盤保証と保険の活用術 ― 万一に備える安心プラン」 をテーマに、家づくりや中古住宅購入後に“もしものトラブル”が発生したときの備え方を分かりやすく解説します。
目次
概要
新築住宅の着工前に地盤調査を行い、必要に応じて改良工事を実施したうえで、完成後に不同沈下などの不具合が起きた場合、改修費用を保証する制度です。
保証期間
一般的に 10年 が主流。長期優良住宅や追加プランで 20年 まで延長できる商品も登場しています。
対象範囲
地盤沈下に起因する建物の傾き・ひび割れ・基礎クラックなどの補修費、仮住まい費用が含まれることも。
ポイント
地盤保証は「地盤調査+適切な工事」をセットで行った場合にのみ付帯できます。調査をせずに契約することはできません。
比較項目 | 地盤保証 | 住宅瑕疵保険(※) |
---|---|---|
主な対象 | 地盤に起因する不同沈下・建物被害 | 基礎・柱・屋根など構造耐力上主要部分の瑕疵 |
保証期間 | 10〜20年 | 10年(法定) |
加入条件 | 地盤調査・必要な改良工事の実施 | 住宅事業者が保険法人と契約 |
負担者 | 住宅会社または施主 | 住宅会社(保険料を価格に内包) |
※住宅瑕疵担保責任保険。新築住宅には加入が義務化されています。
結論
瑕疵保険は「建物そのもの」の欠陥が対象で、地盤に対しては部分的。不同沈下リスクまでカバーしたいなら 地盤保証を別途付帯 するのが安心です。
保証限度額を確認
修復工事には数百万円〜数千万円かかるケースも。限度額2,000万円以上が目安。
免責金額・免責事由
地震・津波・造成工事中の事故などは対象外となる場合があります。
地盤調査会社と保証会社の連携
調査→改良→保証までワンストップで行える体制だと、トラブル時の対応がスムーズ。
第三者機関の品質管理
工事写真のクラウド管理や現場立会い検査など“エビデンス”が残る体制かどうかを要チェック。
20年保証プラン
長期優良住宅の普及に合わせ、保証期間を20年に延長できる商品が増加。途中で転売しても安心感が資産価値を高めると好評です。
IoT傾斜センサー
建物内部に傾斜センサーを設置し、微小な沈下をリアルタイムで監視。異常を早期検知し、補修費が膨らむ前に対処できるサービスも登場しています。
サブスク型メンテナンス
保証と同時に、5年ごとの地盤再調査・基礎点検を定額で受けられるサブスクプランが人気。将来の修繕費を平準化できるメリットがあります。
事例 | トラブル内容 | 修復費用 | 保証金額 | 自己負担 |
---|---|---|---|---|
A様邸(築3年) | 床が1.5cm傾斜、基礎に幅0.4mmのクラック | 約350万円 | 340万円 | 10万円 |
B様邸(築8年) | 屋外給排水管の破損に伴う不同沈下 | 約120万円 | 対象外 | 120万円 |
考察
A様は地盤保証加入により、ほぼ全額が保証対象。B様は給排水管破損が原因で保証対象外となり、自己負担が発生。
→ 「土中設備の破損補償特約」の有無が明暗を分けました。加入時には 特約範囲まで要確認 です。
地盤トラブルは発生頻度こそ高くありませんが、一度起きると修復費は高額・工期も長期化しがちです。
新築時は必ず地盤保証を検討し、内容を細部までチェック
中古住宅でも再調査+リフォーム瑕疵保険の付帯 を視野に入れる
IoTモニタリングや長期メンテ契約 を賢く組み合わせ、早期発見・早期対処で“掛け捨てにならない保証”を実現
千代田技建では、保証会社との連携やセンサー監視サービスの導入支援も行っています。気になる方はお気軽にご相談ください。
次回は 「気候変動時代の地盤リスク ― 大雨・台風・猛暑への備え」 をテーマに、近年増えている極端気象が地盤に与える影響と、その対策を解説します。どうぞお楽しみに!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
地盤・基礎に関するお悩みは、千代田技建までお気軽にお問い合わせください。