オフィシャルブログ

月別アーカイブ: 2025年4月

地盤と基礎にまつわるQ&A

皆さん、こんにちは。千代田技建株式会社、ブログ更新担当の岡です。
これまでの記事では、地盤調査や基礎工事の基本、住まいのメンテナンス、さらに地盤補強・基礎補修が必要になった場合の対応まで、段階的にお話ししてきました。
今回は「地盤と基礎にまつわるQ&A」と題し、これまでいただいたご質問やよくある疑問点をまとめてお答えします。おさらいも兼ねて、ぜひ参考にしてみてください。


Q1.「地盤が弱いってどうやって判断するの?」

A. 地盤調査による客観的なデータ取得が大切です。

  • 代表的な調査方法として、スウェーデン式サウンディング試験ボーリング調査表面波探査などがあります。

  • 自治体のハザードマップや地質図から、おおよそのリスク(液状化や土砂災害の可能性など)を把握することも重要ですが、最終的には現地調査結果をもとに判断します。


Q2.「布基礎とベタ基礎、結局どっちがいいの?」

A. 建物の重量や地盤の強度、予算などを考慮して選びます。

  • 布基礎は費用を抑えやすい反面、地盤が弱い場合や大きな荷重がかかるケースでは不同沈下リスクが高まることがあります。

  • ベタ基礎は建物荷重を広く分散でき、沈下リスクが低減しますが、その分コンクリート使用量が増え、施工費用が高くなる傾向があります。

  • 同じ地盤でも、杭基礎地盤改良を組み合わせる場合もあり、最適解は物件ごとに異なります。


Q3.「すでに建てた家が傾いている気がする…どうしたらいい?」

A. まずは専門家による現地調査がおすすめです。

  • ドアや窓の開閉がスムーズにいかない、床がきしむなどは不同沈下の可能性が考えられます。

  • 基礎のひび割れ床下の湿気もチェックポイントです。小さなトラブルでも放置すると大規模工事につながる恐れがあるため、早めの対処が大事です。

  • 地盤補強(改良)と基礎補修をセットで行うかどうかなどは、実際の現地調査結果や予算・工期を踏まえて総合的に検討します。


Q4.「地盤改良工事や基礎補修にはどのくらい費用がかかるの?」

A. 工事内容や規模によって大きく異なります。

  • 地盤改良(柱状改良など)は数十万円~百数十万円、あるいは深層混合工法でさらに高額になる場合も。

  • 基礎補修工事(エポキシ樹脂注入など)の軽微なものは数万円~数十万円、大規模な耐震補強や外部補強材の設置が必要な場合は数百万円になることもあります。

  • あらかじめ複数の業者から見積もりを取り、比較・検討するのが賢明です。


Q5.「家を長持ちさせるために、日頃からやるべきことは?」

A. 定期的なチェックとメンテナンスが基本です。

  • 外周や基礎コンクリートのひび割れを目視で確認。小さなクラックでも、進行していないかこまめにチェックしましょう。

  • 床下点検口換気口から湿気やカビ、シロアリ被害がないかも重要です。

  • 雨どいや排水設備を定期的に掃除して、水はけの良い環境を保ちましょう。

  • 異常を発見したら放置せず、早めに専門家へ相談を。早期対応が費用負担や被害拡大を防ぐカギです。


Q6.「土地を買う前に地盤調査したいけど、できる?」

A. 売主や不動産会社に相談し、可能であれば購入前に実施しましょう。

  • ただし、ほとんどの場合「購入を約束したうえで行う」「売主側が既に調査済みデータを用意している」ケースが多いです。

  • もし調査データがない場合は、自費で行うことを検討するのもひとつの方法。万が一、予想以上に地盤が弱ければ、購入を再考したり、予算調整をする必要が出てきます。


まとめ:わからないことは早めに相談を

家を支える「地盤」と「基礎」については、さまざまな疑問や不安がつきものです。重要なのは、不明点やトラブルサインを放置せず、早めに専門家の力を借りること。少しの不安でも相談を重ねて解消しておけば、将来の大きなリスクを回避し、長く安心して暮らせる住まいを実現できます。

今回のQ&Aが皆さまの不安を解消し、家づくりやリフォーム・メンテナンスの一助となれば幸いです。千代田技建では、地盤調査から改良・補修まで一貫してサポートしており、個別のご相談にも応じています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。今後とも、千代田技建のブログをどうぞよろしくお願いいたします。

地盤補強や基礎補修が必要になったとき、どうする?

皆さん、こんにちは。千代田技建株式会社、ブログ更新担当の岡です。
前回は「住まいのメンテナンスと地盤・基礎の関係」をテーマに、経年劣化や環境変化によるトラブルを予防・発見するためのセルフチェックや定期的な点検の重要性をお伝えしました。
今回は「地盤補強や基礎補修が必要になったとき、どうする?」をテーマに、補修工事の流れや費用感、対応のポイントなどを詳しく解説していきます。


地盤・基礎のトラブルサインを見逃さない

まずは補修工事が必要かどうかを見極める際に、どんな兆候があると危険なのかを再確認しておきましょう。

  • 基礎コンクリートの大きなひび割れ
    クラックの幅が髪の毛より明らかに太い(0.3mm以上)場合は要注意。構造に影響が及ぶ深刻なひび割れかもしれません。

  • 建物の傾きやドア・窓の開閉不良
    ドアや窓が突然開きにくくなる、床がきしむなどは不同沈下の初期症状の可能性があります。

  • 床下の湿気やカビ、シロアリ被害
    地盤や排水設備が原因で床下環境が悪化している場合、早期の対処が必要です。

これらの症状に気づいたら、自己判断で放置せず早めに専門家の診断を受けることが大切です。小さなダメージも放置すると大きな補修が必要になり、費用面でも負担が増える恐れがあります。


地盤補強・基礎補修工事の一般的な流れ

1)調査・診断

  • まずは建物や地盤の状況を把握するために、現地調査や各種試験を行います。

  • 必要に応じてスウェーデン式サウンディング試験やボーリング調査を実施し、地盤の強度や土質をチェックします。

2)補修計画の立案

  • 調査結果をもとに、地盤改良(補強)か基礎の補修、あるいは両方を同時に行うのかなど、最適な方法を検討します。

  • 施工方法による費用や工期の違い、メリット・デメリットをしっかり説明してもらいましょう。

3)施工

  • 施工中は家に居住しながら進められる場合と、工事規模によっては一時的に引っ越しが必要になる場合があります。

  • 地盤改良工事では柱状改良や深層混合工法など、地盤の状態に合わせた工法が選択されます。

  • 基礎補修工事では、エポキシ樹脂などの注入補修や外部からの補強材設置など、ひび割れの程度や基礎構造によって方法が異なります。

4)完了検査・アフターフォロー

  • 施工後はしっかりと検査し、強度が戻っているかを確認します。

  • アフターサービスや保証内容も合わせて確認し、長期的に安心できる体制を整えましょう。


代表的な補強・補修工法と費用感

地盤改良(補強)工法の例

  • 柱状改良工法

    • セメント系固化材を使って地中に柱状の改良体を作り、建物を支える工法。

    • 一般的な木造住宅であれば、数十万円~百数十万円ほどが目安。

  • 深層混合工法

    • 建物荷重が大きい場合や、地盤がかなり軟弱な場合に適しています。

    • 工事規模によって費用幅が大きく、数百万円に及ぶケースも。

基礎補修工法の例

  • ひび割れ補修(エポキシ樹脂注入など)

    • ひび割れ部分に専用の樹脂を注入して固め、強度を回復させる方法。

    • 軽微なものなら数万円から、大きなクラックで広範囲に及ぶ補修だと数十万円になることも。

  • 外部補強材の取り付け・耐震補強

    • ひび割れの原因が地震や不同沈下の場合、鉄筋や鋼製プレートを用いた補強を検討することもあります。

    • 状況によって費用は大きく変わり、数十万円~数百万円程度と幅があります。


補修工事で押さえておきたいポイント

  • 原因を根本的に解決する
    ひび割れや傾きが起きた原因が地盤にある場合、基礎部分だけを補修しても再発リスクは残ります。地盤改良と基礎補修をセットで検討することが望ましいです。

  • 複数の業者に相談・見積もりを
    工法や施工手法によって費用や工期が変わります。複数の専門業者から見積もりを取り、総合的に比較・検討して納得できる計画を立てましょう。

  • アフターサービス・保証の確認
    補修後の保証期間や定期点検の有無など、アフターサポートの体制も業者選びの大切な基準です。


まとめと次回予告

地盤補強や基礎補修が必要になったとき、まずは専門家による現地調査原因の特定が重要です。そのうえで最適な施工方法を選べば、住まいの安全性を取り戻し、今後のトラブル再発リスクも大きく減らせます。ひび割れや傾きなど「おかしいな」と感じる兆候があったら、ぜひ放置せず早めにご相談ください。

次回は「地盤と基礎にまつわるQ&A」として、これまでのおさらいと、よくある疑問点をまとめて解説する予定です。あなたの不安や悩みを解消するヒントが見つかるかもしれません。どうぞお楽しみに。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。千代田技建は、地盤調査から補修工事まで一貫してサポートいたします。気になることがあれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。