
皆さん、こんにちは!
千代田技建株式会社、ブログ更新担当の岡です。
前回は「気候変動時代の地盤リスク」をテーマに、豪雨・台風・猛暑が地盤へ与える影響と対策をお伝えしました。
今回は、少し難しい内容ですが、 「ICTとAIで変わる地盤モニタリング最前線」 をテーマに、最新技術が地盤管理にもたらす革新と、その導入ポイントを解説します。リアルタイム監視が当たり前になるこれからの時代、ぜひ参考にしてください!
予測困難な極端気象
近年は数時間で想定雨量を超える集中豪雨が発生し、地盤状態が短時間で急激に変化。
構造物の長寿命化
社会インフラや住宅を100年使用する時代へ。点検回数・範囲を増やす従来手法は限界。
働き方改革と人手不足
技術者の高齢化や若手不足で、現場巡回に頼った管理は持続しにくい。
結論:IoTセンサーとAI解析による「遠隔・自動・連続監視」が、コスト・安全の両面で必須になりつつあります。
傾斜センサー:1/1000 ラジアン単位の微細な傾き変化を常時検知
水位・水圧センサー:地下水の急上昇をアラート
伸縮計・歪みゲージ:擁壁や橋脚のひずみを数µεで測定
LPWA(LoRaWAN等):遠距離・低消費電力で山間部の法面監視に最適
5G/ローカル5G:高帯域で高精細動画やLiDARデータをリアルタイム送信
クラウドダッシュボード:ブラウザで複数現場を一括監視、履歴グラフ&アラーム設定が可能
ドローン写真測量:毎週・毎月の空撮で斜面形状を3D点群比較
衛星InSAR:地表面の沈降や隆起を広域(数 cm 精度)で把握
地上型3D LiDAR:構造物の微小変位をミリ単位で抽出
異常検知モデル:センサー系列データからパターン逸脱を自動判定
地盤挙動シミュレーション:デジタルツインで将来沈下を確率予測
画像AI:ドローン映像からクラックや土砂流出を自動検出
物流倉庫 × 柱状改良体モニタリング
傾斜センサー100台を床下に配置し沈下を常時計測
“閾値超え”アラートで早期補修を行い、修繕コストを70%削減
地方自治体 × 斜面崩壊予兆監視
LPWA水圧センサー+太陽光電源で無人化
警戒雨量下での避難判断を“平均3時間”前倒しし人的被害ゼロを達成
都市地下鉄 × AI InSAR解析
衛星データを毎週自動取得、路線直上の沈降トレンドを色分け表示
点検対象区間を従来の10分の1に絞り込み、保守コストを大幅圧縮
目的の明確化
沈下防止? 斜面崩壊検知? インフラ健全度?
必要センサー・計測密度の選定
点在監視か面監視かで機材もコストも大きく変動
通信インフラの確保
市街地:LTE/5G 山間部:LPWA+衛星バックアップ
クラウド・AIプラットフォーム設定
可視化ダッシュボード、通知ルール、ユーザー権限を整備
運用・保守体制の整備
センサー校正スケジュール、バッテリー交換計画、異常時の対応フローを明文化
初期投資:戸建住宅数十万円/大型施設数百万円〜
運用費:通信+クラウドで月数千円〜
経済効果
早期予兆検知による修繕費削減
災害休業・交通遮断の損失回避
保険料・金利優遇(リスク低減証明による)
エッジAI:現場デバイス内で推論し、通信量と遅延を大幅削減
自律ドローンによる定期パトロール:人手ゼロの斜面点検が実用段階へ
自己診断型センサー:故障検知&遠隔リブートでメンテンス負荷を最小化
デジタルツイン×BIM連携:建物模型と地盤モデルを一体化し、リフォーム・増築時の影響を即時シミュレーション
ICTとAIを活用した地盤モニタリングは、
予兆をつかみ被害を最小化
点検効率を上げコストを削減
投資対効果を数値で証明
できる時代へと進化しています。千代田技建では、機器選定からクラウド構築、AI解析までトータルでご提案可能です。ぜひお気軽にご相談ください!
次回は 「リフォーム・建替え時こそ要注意!地盤リスク診断ガイド」 をテーマに、既存住宅の改修や建替えの際に見落としがちな地盤ポイントを詳しく解説します。どうぞお楽しみに!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
地盤・基礎に関するご質問は、千代田技建までお気軽にどうぞ。